METHANE GAS POWER PLANT
養父メタンガス発電所
WHAT’S YABU
兵庫県養父市とは
2014年9月に地方創生を目的とする国家戦略特区に指定され、山々に囲まれた中山間地域で、畜産業が盛んでブロイラー産業発祥の地としても有名です。私たちはこの養父市に注目しメタン発酵発電施設を建設しました。また、この地域は2018年には国が選定を進めているバイオマス産業都市に認定されています。
TOYO BIOMETHANE GAS
トーヨーバイオメタンガス発電所とは
約9,000m2 の敷地に建設した湿式中温メタン発酵発電施設です。家畜のふん尿や食品残渣等を嫌気性発酵により、バイオガスを取り出して燃料としてガスエンジンにより発電を行います。
原料の家畜ふん尿や食品残渣は兵庫県内外から回収し、家畜ふん尿および残渣処理問題の解決に寄与しています。
また、発電後に副産物として生成される消化液は良質で安価な有機質肥料として同地域で作る特別栽培米やその他野菜栽培にも使用します。
施設名 | トーヨーバイオメタンガス発電所 |
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所在地 | 兵庫県養父市大薮 |
面積 | 約9,000m2(約 2,723坪) |
発電出力 | 1,426kW(一般家庭 約1,800世帯分) |
原料 | 家畜ふん尿、食品残渣、植物油 |
受入容量 | 最大70t/日 |
発電方式 | 湿式中温メタン発酵 |
生産物 | 消化液、有機質堆肥 |
営業運転開始 | 2019年3月 |
運営 | トーヨー養父バイオエネルギー |
元請 | トーヨー建設 |
エンジニアリング・調達 | トーヨーエネルギーソリューション |
家畜ふん尿や食品残渣等の有機物を酸素のない状態(嫌気状態)にすると、微生物の働きで分解が進み、バイオガスが生成します。これを嫌気性メタン発酵と呼びます。バイオガスの成分は約50〜70%がメタンで、ガスエンジンで燃焼して、電気エネルギーと熱エネルギーを取り出すことができます。メタン発酵後の副産物である消化液や堆肥は、農地に還元し、循環型社会の形成を推進しています。また、循環水再生処理システムを利用しているため、地下水などの水資源を大幅に節約します。
FEATURES
特長
- 家畜のふん尿や、食品残渣など様々な原料を投入可能
- プラスチック/金属/陶磁器/骨/段ボールなどの異物が混入しても問題なく処理
- 処理が難しいと言われ続けていた鶏ふんを高比率で処理(投入)している
- 24時間365日運転
- 余剰な排水は再生水として利用
- 国内の民間事業者によるメタン発酵施設では、最大級の発電設備
- プラント内に分析室を設置し、徹底した発酵/生物処理の管理とデータ収集
- 遠隔で常に専門家が監視
(東京・シンガポール・イタリア)
FACILITY
技術フロー・設備
木質トラス工法を採用した最大13.25m の柱スパンを確保し、室内高さ約7mの大空間を実現した受入施設
原料受入・前処理
トラックスケールで計量した原料は、最大13.25m の柱スパンを確保し、室内高さ約7mの大空間を実現した木造の受入施設に運ばれます。
そこで3種類の受入装置を使用して食品残渣・家畜ふん尿・植物油を処理します。
食品残渣は特殊な回転軸付きの専用ホッパーで受け入れ、無機物と有機物に分離され、一次貯留タンクへ送られます。
家畜ふん尿は、地下に設置された電動ミキサーが備わっている蓋付きのコンクリート製受入装置で希釈水を加えながら強力に撹拌し、発酵槽へ送られます。
発酵
発酵槽は、サービスボックス と電動ミキサーが備わっているアナージア社の2重リング「トリトン」です。
ミキサーにより撹拌され、原料は均質に維持されます。
また、ガスエンジン・コジェネレーションシステムのジャケットから回収した温水を使用し、発酵槽を35~38℃の中温に維持します。
サービスボックスは各ミキサー上部の発酵槽天井部に取付けられているため、オペレーターは発酵槽内に立ち入ることなく、外部からミキサーの高さと角度を調整することができます。
また、発酵槽はバイオガスを貯留するために2重膜式メンブレンガスホルダーが備わっています。外側膜は対気候層で、常に膨張していて、内側膜は、発酵層上部と内側膜内部の間のガス発生量と需要量の差圧に応じて、上下に動きます。
固液分離
消化液は2段階の固液分離システムによって消化液は液体分と固形分に分離されます。
1次固液分離装置の液体分はバッファータンクを経て、2次固液分離装置へポンプ移送されます。このシステムによって、消化液に含まれる全浮遊固形物(TSS) の90%以上が回収されると想定されます。
循環水再生
固液分離後の液肥を生物的・物理的に再生処理し、原料希釈水として利用し、発酵槽へ再投入されます。
熱電併給装置(CHP)
熱電併給装置(CHP)で発電した電力は、グリッドに接続し、現地の電力会社への売電を行います。熱電併給装置(CHP)で発生した熱は、発酵槽の温度維持用の熱源や植物工場やその他施設などの熱源としても利用可能となります。